「王になるライオン」の物語(創作)

今日は、ブログの絵のお話です。


サイトの絵をアクリル画アーティストのえりかさんに描いていただきました。彼女の絵の力で、より一層表情豊かな星読みブログになりました。今日は、この絵に込めた思いをお話します。

目次

「王になるライオン」


 王冠をつけたライオンは生まれる前から王になると決まっていました。そして、今日は戴冠式の前日てす。いよいよ明日には王として国をおさめる立場になります。だけど、ライオン王子には不安があります。自分にできるだろうか?


 ライオン王子は長い旅に出ていました。国を離れて新たな景色や人と出会い、自分が本当に王として務められるのか。その問いの答えを出すための旅です。


 道中ではさまざまな愉快な仲間たちに出会いました。心が温まるような火を灯す人。風のように巻き込み進む人。地に種をまいて芽を待ち続ける人。流れる水に任せて大きな海から帰ってきた人。唯一無二のありのままの姿で生きる彼らを見ては、ライオン王子は深く息を吸い「なんて素晴らしい。ありのままで生きる姿は素敵だ。」そう声に出していました。それを聞いた彼らはライオン王子に口をそろえて言いました。「あなたは王になる人。」ライオン王子はそう言われて嬉しい気持ちと、どこか信じられない。そんなふたつの気持ちを抱えて、国へ戻ったのです。


そして、戴冠式前夜。夜明けを待つライオン王子に、星の歌い手の少女が歌を歌いました。


あなたはあなたのままでいいなにかになろうとしなくていい
強いあなたも弱いあなたも
すべて尊い
あなたの願う気持ちが国をつくる
あなたはこの国の王
あなたという国の王になる


少女の歌は月の移ろいから切り取ったようなリズム。そこに小さな光という希望に、涙で祝福が混ざる。


空には星座。月は日々形を変えてゆく。彼女の歌は空に向かって放たれ、涙となり地に降り注ぐ。それは波紋となり、胸の奥でやさしく響く。夜が明け太陽の光が見えてくる。今日という1日のはじまりに、希望をそっと握りしめて。


これまで国のため人のために王になろうとしていたライオン王子ですが、それは違うとわかりました。自分という国の王になる。ライオン王子は自分のために王になると心に決めたのです。


たとえ苦しいことや思い通りにならないことがあったとしても、日はまたのぼり朝がくる。何度でも朝がくる限り、希望はなくならない。
王になると自分で決めたライオン王子の姿は夜明けの光で輝いて見えます。


さぁ、戴冠式です。
ファンファーレの音に耳をかたむけよう。
自分で決めた道を歩くライオンへ、最大のエールが聴こえてくる。(終)

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